|
Q |
うぃ〜す。 |
アゲハ |
毎度っす〜。 |
リル |
どーもー。久しぶりっすね。元気したはりました? |
Q |
うん、元気。て、身内の挨拶はええよ(笑)。
ところで、サイト見してもらったけど、一体何よこれは。好き勝手やってるねー君らは。 |
リル |
いやもう、好き勝手やってええよ、って言うてくれたはるんで。 |
Q |
誰が? プロダクションの人? |
リル |
うん。それで私がデザイン担当で・・・。最初は鐘の音入れよう言うてたんすわ。お寺の鐘の音。サイトのトップページが開いたら、「ゴ〜ン」てお寺の鐘の音がする。 |
Q |
お寺の鐘?(笑) |
リル |
うん。でもその案はいくらなんでもひどすぎるて言われて(笑)、ボツになって・・・。ええと思たんですけどね、自分では。 |
アゲハ |
それってグッチャ渋いホームページや思いません? |
Q |
渋いかなあ?? オッチャンついていかれへんぞ(笑)。誰か監督はおらんのかいな。 |
リル |
いちおう事務所(Trance-Rave Production)の人がチェック入れてくれたはりますけど(笑)、基本的には好きにやって下さいいうことで。 |
Q |
もう野放し状態やな(笑)。まあええか。
ところであれやね、ちょっと思ったけど、プロフィールのページに二人の顔写、出てないね。これは、何か意味あるの。 |
アゲハ |
出さないことに意味とかはないですけど。でもべつに、わざわざ出す意味もないって言うか。 |
リル |
ちょっと迷たんですけどね、顔出しで行くか・行かないかっていう部分で。でも二人で相談した結果、まあ出さんとこう、ていうことで。 |
アゲハ |
あえて意味があるとしたら、何て言うの? 匿名性って言うか、私らはスターとかじゃないんで、っていう部分かな。 |
Q |
どういう意味? |
アゲハ |
うーん、ようはさ、トランスっていう音楽がね、ある意味、匿名性の世界やと思ったのね。
トランスとかレイヴが好きな若い子、日本にいっぱいいてるじゃないですか。
私らはその若い子らを象徴してる存在って言うか、シンボルっていう部分があると思うんですね。
だから、あえて匿名的な存在でいたいって言うか。 |
リル |
逆に言うと、もしドーターズが顔出しで行ったら、ああこいつらこんな顔やねんなって、見る側はそこで判断するわけやん。
それは悪く言えば、洗脳されるって言うか、そこでもうある意味スターみたいになってしまうわけやん。それは、したくないって言うか。 |
Q |
ははあーなるほどね。意味わかった。
それは俺的には共感できる部分あるけど、ただ、フッと思ったけど、そういうやり方やと、「あざとい戦略」みたいに思う人も、中にはいるかもね。 |
アゲハ |
いや、それはもう、受け取る人それぞれの自由やと思いますけど。
でも私らはそこじゃなくて、ようは自分らの自然体でどこまでも行きたいねっていうことで、最初からずっと言うてるから。
これもその一つっていうことですね。 |
リル |
だから、こだわってるわけじゃないですよ。いつか、写真出したほうがええかなって思ったら、サッと出してもいいし。 |
アゲハ |
そうそう。だから将来はどうなるか分からない。このまま行くかも知れんし、そうじゃないかも知れんし。 |
Q |
いや、今の話は、本人の前で言うのもアレやけど、二人とも可愛いし、写真出したらええのにって、俺は単純にそう思っただけやけどね。 |
アゲハ |
いや、もう終わってますけど。 |
Q |
何言うてんの。まだ若いじゃないすか(笑)。 |
アゲハ |
若いって言うんかなあ?(笑)
二人とも今年(2007年)で27なんです。 |
リル |
もう、ヤバいっすわ。 |
Q |
あ、同い(年)? |
リル |
同い(年)。 |
Q |
27って言うと・・・えー・・・。 |
アゲハ |
1980年生まれ。 |
Q |
ああそうか、今年が2007年やから。
若いなあ〜。80年代生まれか(苦笑)。 |
リル |
musashiさんは何年生まれなんすか? 聞いていいスか? |
Q |
俺? 1973年。今年で34すわ。 |
アゲハ ・
リル |
(同時に)若っかあーーーー(笑)。 |
Q |
そうかあ? いや、ありがとう(苦笑)。
もうだいぶオッサンなってきたけど(笑)。 |
アゲハ |
全然アリアリ。 |
Q |
アリっすか?(笑) |
リル |
全然アリや。 |
Q |
でも80年代生まれの子が、もう20代やからなあ・・・時の流れを感じるなあ(苦笑)。 |
リル |
そんなに違わないじゃないですか。 |
Q |
ありがとうございます。って俺のインタビューじゃないやん(笑)。 |
アゲハ |
自分でボケて自分で突っ込めるんや、この人は(笑)。 |
リル |
明日にも吉本出れるね(笑)。 |
Q |
二人ともずっと関西人? |
アゲハ |
私は根っから、バリバリ関西人。リルは純粋に関西人とは言いがたい微妙な部分もある。 |
リル |
子供の頃は東京とか、いろいろ行ってるから。お父さんの仕事の関係で。でもだいたい、中学以降はずっと関西すね。
でもお父さん大阪の人やし、子供の頃から関西弁はあったし、まあ関西人かな。 |
|
Q |
じゃあまず、お二人の出会いから聞かして下さい。 |
アゲハ |
中学時代すね。同じクラスで、部活も同じで。 |
リル |
二人とも、バスケ部だったんで。 |
Q |
おっ、バスケ。アゲハちゃんは背高いから、バスケとか強そうやなあー。 |
アゲハ |
私はエースでしたよ。 |
Q |
うーん、やっぱりやっぱり。何センチあるんすか? 聞いていい? |
アゲハ |
うーん、照れるー(笑)。170センチです。 |
Q |
マジで? 俺の友達の野郎で、アゲハちゃんより身長低い子、いっぱいおるよ(笑)。 |
アゲハ |
それ言われると傷つくねん、ちょっと。 |
Q |
あ、そうか。女の人やし。ごめんね。俺って無神経。 |
アゲハ |
ううん、いいすよ。今はそうでもないねんけど。昔はかなり傷ついてたね。
コンプレックスやったのね、背が高いっていうのは。 |
Q |
そうやね。いや、女の子はそういうのあるよね。
いや、でも今のは、俺としては褒め言葉で言ったつもりなんすけどー。だってカッコイイし。背高くて、ちょっとモデルのお姉さん系みたいな。 |
リル |
アゲハは昔、モデルやってたことあるから。 |
Q |
あーマジー? わかるなーそれ。雰囲気やね。 |
アゲハ |
いや、バイトっすよ。バイト。モデル事務所に登録しといたら、電話かかってきて、「来週いけます?」みたいな、そういう・・・。だから日雇い労働者やね(笑)。
でもそれだけじゃ当然食えないんで、ふだんは吉野家の牛丼の店でバイトして(笑)。 |
Q |
吉野家の牛丼・・・!! (絶句・笑)。
あ、でも意外と似合いそう。あの帽子被って、あの制服着て、「いらっしゃいませー、お二階のほう空いておりますのでどうぞ〜、階段にお気を付け下さい」みたいな(笑)。
今はやってないんすか? |
アゲハ |
やってない。だってもう、だいぶ前の話やもん。 |
Q |
アゲハちゃんがバイトしてる吉野屋やったら、俺毎日行くと思うなあ(笑)。顔見たいし牛丼食いに行く、みたいな・・・不純な動機で(笑)。
だから「いや、いいッスよ、一階の席空いたら呼んで下さい、外で待ってますんで」とか言って、外で煙草吸って待ってる、みたいな(笑)。 |
アゲハ |
アホか(笑)。 |
Q |
いやー、俺の友達でも「アゲハちゃんがあそこの吉野屋でバイトしてるよ」って言ったら、毎週行く奴五人はいると思うなあ(笑)。 |
アゲハ |
だから昔の話やて(笑)。ね、もしかしてさっきから、インタビューでナンパしてません?(笑) |
Q |
分かりました?(笑) すいません。話を戻します(笑)。
えー、
なんの話やったっけ・・・(笑)。 |
アゲハ |
身長の話ちゃうの?
私はだから、背が高いっていうのがもうずーっとコンプレックスで・・・。 |
リル |
私はその正反対のコンプレックスがずーっとあって。 |
Q |
リルちゃんは小柄っすね。 |
リル |
うん。だって150センチやもん。アゲハとちょうど20cm違い。
可笑しいのはね、同じクラスで体育の時間とか、背の順ってあるやん。背の順で並ぶとね、私が前から二番目で、アゲハが一番後ろ。 |
Q |
アハハ。でもまだリルちゃんより低い子がいたんや。 |
リル |
いた。だからちょっとセーフ、みたいな(笑)。 |
Q |
デコボコ・コンビだよね。「チッチとサリー」みたいな。「チッチとサリー」って知りません? |
リル |
私それ知ってるー!!(笑)
(アゲハに説明する)昔の漫画でね、そういうのあったん。すごい背の高い人と低い人の話。
私もよく知らんねんけど、お母さんの本棚にあって、読んでてね。昔流行ったらしいんだけど、けっこう、面白いねん。 |
アゲハ |
それは確かに、私らのことや(笑)。 |
リル |
今で言う『ラブ★コン』とか(笑)。
お互いにないものを持ってるから、憧れるんだよね。 |
Q |
でも二人はなんか、仲良さそうやけど。 |
アゲハ |
基本的にはね。
まあ、お互い、一番ぐらいの親友同士すね。波長が合ってるんで。 |
Q |
ケンカとかしません? |
アゲハ |
そらもうね、過去にはケンカとかなんぼあったかわからんけど。長いからね。中学時代からなんで、もうかれこれ14年とか、それぐらい。 |
リル |
だから長年連れ添った夫婦みたいなとこあって、相手の考えてることがわかるから、ケンカになりそうになっても、「あ、ヤバいな」って思うやん。そういう時も、逃げ方がうまくなってる、お互い(笑)。 |
アゲハ |
だから今は、ケンカまで滅多に行かへんっていう。 |
リル |
プチゲンカで終わるね。3分以内とか(笑)。 |
Q |
なんで「香港リル」になったんすか? |
リル |
ちょっとややこしい話なんすけどー。
うちのお父さんが美術関係の仕事をしてたんで、家族で香港にいたんすけど、その時私はあっちで生まれたんですわ。 |
Q |
なんかお嬢だったりして(笑)。 |
リル |
お嬢じゃないすよー(笑)。 |
アゲハ |
お嬢じゃないけど、わりと金持ちの家の子すよ、リルは。 |
リル |
「金持ちの家の子」って言われると、私なんとなく傷つくねん(笑)。 |
Q |
でも、なんでリルなんすか? |
リル |
(体が)小ちゃいっしょ。それでリル。リルは英語のlittle。 |
アゲハ |
(ケラケラ笑い出す) |
リル |
何がおかしいねんさ〜あんたは。 |
アゲハ |
(インタビュアーに)いや、逸話があるんすわ。
中学の英語の時間に文章、読まされますやん。その時にこの子が当てられて、
「little moreナントカカントカ」
っていう文章を読まされたんね。
それで「little」の発音がちゃんとでけへんかって、先生が「littleはリトルじゃなくて、リル! リル!」って何回もしつこく言うから、みんなケラケラ笑い出して授業にならへんかって(笑)。
それで「リル」というあだ名が定着して、一気に広まったんすわ(笑)。 |
リル |
もう、トラウマな思い出や〜(笑)。まあええけど、私気に入ってるし、小さいの。何かと便利やし。 |
Q |
どんなとこ便利? |
リル |
今でも狭いとこすり抜けるの得意やし(笑)。22才ぐらいまで「未成年」言うてたし(笑)。 |
アゲハ |
リルは都合ええ時だけ未成年になれるねん(笑)。それは私は羨ましいね。
私なんか雰囲気がこう(大人っぽい)やん。高校の時から「二十ぐらい?」とか言われてたから・・・。 |
Q |
あ、そうか。リルちゃん童顔やし。声も可愛い言うか、ちょっと舌足らずで幼い感じやし。 |
リル |
今でも高校生と間違われる(笑)。 |
アゲハ |
あんた中学生でも通るで(笑)。 |
リル |
中学生はないやろ。 |
アゲハ |
でもこないだ二人で心斎橋のへんウロウロしてたら、ナンパされたんすわ。チームみたいな格好した男の子二人来て。その子らが
「なあ、自分ら高校生やろ?」て(笑)。 |
リル |
あったなーそういうこと。 |
アゲハ |
あれは言うとくけど、あんたのせいが大きいよ。 |
リル |
あ、そんなこと言うか? あんたも最近若作りしてるから(笑)。 |
アゲハ |
あの時は特にね。今流行りの格好してたから。
私は年とともにだんだん若なってきたんです(笑)。昔のほうが老けてたなあ。十代の頃は、早く大人になりたかったから。 |
|
Q |
中学の時クラスメートで、いっしょに音楽をやってたとか? |
リル |
ううん、違う。音楽はまだいっしょにはやってなかった。
中学の時は、ただの友達。二人で音楽やり始めたのは、高校に入ってから。アゲハはバンド活動してた。 |
Q |
アゲハちゃんはロック・バンドでヴォーカルやってたって聞いたことあるけど? |
アゲハ |
うん。ギターとヴォーカル。ガールズ・バンドやってたんですわ。ハート(Heart)って知りません? 『バラクーダ』とかヒット曲あるバンド。 |
Q |
知ってる、知ってる。たしか姉妹でやってるやつや。ハードロックの。 |
アゲハ |
あー、musashiさん偉いー!(笑) さすがDJすね。それですそれです。
(歌う)ずんずこずんずこずんずこずんずこずんずん、ちゃらっちゃー |
Q |
知ってる、知ってる。あれって70年代やろ? |
アゲハ |
うん。FMで聴いたんですね、小学校の時に。
小学校五年ぐらいやったかなあ?
「懐かしのロック・ヒット集」みたいな番組で。あれ聴いて、うっわーカーッコエエ〜とか思てね、もう痺れた言うか、まいったって感じで。
それの次に同じ番組でかかったのが、ランナウェイズの「チェリー・ボム」で、うっわ〜何何このグルーヴ感は? みたいな。しかも二つとも女がリード・ヴォーカルやん。
それで慌ててCD屋さん行って見たら、二つともガールズ・ロック・バンドじゃないですか。
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スージー・クアトロ 「Quatro」 |
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で、小学生ながらに、女がロックやってるいうのがもうショックでね、次からそんなんばっかり捜すようになって(笑)、ある日、レコ屋さんでスージー・クアトロを発見してしまった。
スージー・クアトロはもう、完全ジャケ買いなんですわ。今日持って来たんすけど、LP(笑)。
これ見て下さいよ。メッチャ気張ってますやん(笑)。これ見て、「うぉ〜、やっりぃ〜」とか思って、また興奮して。
音楽なんてなーんにも知らんのに、見た瞬間もう、衝動だけで、「私も気張りたい!!」っていう、降って湧いたような憧れが・・・(笑)。 |
Q |
いわゆる、ガールズ・ロック系。 |
アゲハ |
入り口はね。やっぱりファッションから入ったから。
でも私がほんまに音楽に目覚めたのは、グランジとかオルタナ系聴くようになってからやね。中学に上がる前ぐらいかな。
ニルヴァーナとか、パール・ジャムとか、スマパン(スマッシング・パンプキンズ)とか、ホールとか・・・。レニクラ(レニー・クラヴィッツ)とかエアロスミスとか、あのへんも好きやったな、凄く。
でもやっぱり、ニルヴァーナかな。「Never Mind」はキターッって感じで・・・。ニルヴァーナ、ヤバいッスね。 |
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ニルヴァーナ(Nirvana)
「ネヴァー・マインド(Never Mind)」 (1991) |
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Q |
カート・コバーン命やったとか(笑)。 |
アゲハ |
いや〜、カート・コバーンだいぶヤバいッスね。
マジすよ。13才の頃、私「私は将来、アメリカに行って有名なロック・シンガーになって、カート・コバーンと結婚するねん」て本気で言うてたんです(笑)。だってあの人がコートニー・ラブと結婚してるなんて知らんかったし(爆)。
で、やっぱり心の底にガールズ・バンドやりたいっていう妄想が、もうヤバいくらいに激しく渦巻いてて(笑)、ようするに「女でもロックが出来るねん」みたいな。
そういう憧れあって、中一の時に親に嘘ついてお小遣いパチって、フライングV(ギター)とディストーションとアンプのセット買って、ついでに美容院行って髪の毛思いきし脱色して(爆)。
それでバンド始めたんすわ。うちの学校と、隣の学校とで、一番の不良ばっかり集めて、「男は来んなよ!」って感じで(笑)、全員女の子のハードロック・バンド。
ファンも女の子のほうが多いっていう(笑)。 |
Q |
(笑) |
| アゲハ |
もうちょっとあとなんスけど〜、U2がムッチャ好きになった。学校の行き帰りのBGMがずーっとニルヴァーナとU2のみの時期があった(笑)。
U2は今でもしょっちゅう聴いてるんです。目覚めたのはちょっと遅かったけど、ロックの中ではU2がもしかしたら最高かもしれん、私にとっては。大人になって聴いても全く色褪せてないし。
とくにやっぱり、ボノのあのキャラクターには影響受けましたね。当時私はロック・シンガーになりたかったんで、ああいう、強烈な自己主張も持ってるアーティストには凄く惹かれた。 |
Q |
今名前が出たアーティストはみんな洋楽のロック、それもハードロックとかオルタナ系の渋い人ばっかりで、テクノとかはないね。 |
アゲハ |
うん。偏見とかあったわけじゃないけど、でも当時は全然興味なかった。「テクノなんて」って感じがどっかにあって・・・。
だから自分が大人になって、こうやってテクノとかトランスとか言うてるなんて、あの頃の私から思うと、信じられへんぐらい。それくらい、当時はロック一辺倒でしたね。
でもほんまは、正反対じゃないと思うけど。トランスって、ハードロックに通じる部分あるし。私の中では、ハードロックとトランスってつながってる。 |
Q |
うん、わかるわかる。
リルちゃんはどのへんから音楽に入りました? |
リル |
私は当時はアゲハと逆で、当時からテクノとかニューウェーブとか、ああいうダンス系が好きで、ロックってそんなに好きでもなかった。
まあ聴いてたけど、どっちか言うとポップス寄りのロック。ビートルズとか、アバとか、カーディガンズとか。
最初にテクノに目覚めたのはね、バグルスの「ラジオスターの悲劇」ってあるじゃないですか。 |
Q |
おっとー。テクノポップの名曲やーん。俺メッチャ好きよ、あの曲。 |
| リル |
あれ、ラジオで聴いてね、「いやーええ曲やん〜」って。それが小学校のやっぱり5年ぐらいすかね。
あれ、ボコーダー使ってるじゃないですか。当時はボコーダーなんて知らなかったんで、「何やのこれは?? ロボットが歌てるんやろか??」ってすっごい真剣に思った(笑)。
あのへんから入って、80年代ディスコ系とか好きになって。シニータの「トーイ・ボーイ」とか「G.T.O」とか、バナナラマとかあるじゃないですか。あのへんでもうハマった(爆)。CDいっぱい買うて(笑)。 |
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YMO「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」 |
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でも実際には、YMOとか、あのへんかな、自分で音楽やりたいって思ったのは。その当時は、ウルトラヴォックス(Ultravox)とかユーリズミックスとか、ああいうちょっと暗いニューウェーブ系の音楽とか好きになった時期あった。
で、中学一年やったかな、打ち込み出来るセット買ったんすよ、お年玉で(笑)。YAMAHAのシーケンサーと、Rolandのサウンドキャンバスていう一番安い音源と。それで打ち込み始めたんすね。
最初の頃は、「あ、私はなんにもしてないのに、勝手に音が出る!」っていうのが無茶苦茶快感やった(笑)。 |
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ユーリズミックス「スイート・ドリームス」 |
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でも私は元々雑食動物みたいな人間で、実際には当時からもう、いろんな音楽聴いてました。ポップスとかも聴いてたし、クラシックも好きやったし。
子供の頃は、バイオリン習ったことあるけど、それは続かなかったすね。早くも手がひきつって(笑)。
あと、
お父さんが若い頃、ちょっとヒッピーやってたことあるんで、アゲハの好きそうな60年代のロックとかもちょっと知ってる。
今でも印象に残ってるのは、ビートルズの後期の傑作で、『マジカル・ミステリー・ツアー』っていうアルバムがあって、お父さんが凄く好きでね、私が小学生の頃に聞かせてくれてた。
「まだ早いかもしれないけど、こういうの聴いておくといいから」とか言うて。
子供心にも不思議な音楽やなあって思ってましたね。
音はロックなんやけど、なんて言うの? 不思議の国のアリスの童話みたいな、こう、幻想的なイメージがあって。 |
Q |
最初からいろんな音楽聴いてたんだ。 |
アゲハ |
リルは多趣味やね、凄く。視野が広いって言うか、器用って言うか。 |
リル |
単に欲が深いんやと思う(笑)。自分の横で人が違うもの食べてるの見てたら、「あ、それ何? 私も欲しい」ってすぐ思う性格やねん(笑)。でも悪くすると器用貧乏みたいになるから、一長一短やけどね。 |
Q |
そういう二人がなぜ、いっしょに音楽を始めたわけですか。 |
リル |
当時はもう、メッチャふつうの友達同士って感じで、お互いの家遊びに行ったりとか、買い物行ったりとか、そんなノリやったんですけど。
ある時、アゲハのバンドがキーボード入れたいって言うてきて、アゲハが私に「入らへん?」って言うてきたんですよ。
エーッて私、ビックリして、キーボードなんか弾けへんし。アゲハは「いや、ええねん、弾く格好だけで。どうせ分からへんから」って言うてましたけど(笑)。
でも格好だけはあんまりやと思って、ちょっと練習して、学園祭の時にちょっとだけ出ました。それがまあ、私らの最初の共演と言えば共演。 |
Q |
じゃあそのバンドにリルちゃんが入って・・・? |
リル |
ううん、違う。その時だけ。学園祭の時だけ。
でもそれがきっかけで、アゲハがうちに来た時に、いろいろ音楽の話とかするようになって・・・、その当時は二人とも音楽の趣味はズレてたんで、お互いに遠慮してる部分があったと思うけど。 |
アゲハ |
私は私で、リルにいろいろ教えてもらった部分があった。
YMOとか、ディスコ・ヒット集みたいなやつ貸してもらって、最初は抵抗あったけど、あー、これはこれでなかなかええな、って思ったんですね。 |
リル |
テクノとロックって、実はつながってるから。 |
|
Q |
二人がトランスの世界に入るきっかけになったのは、ファー・イースト(ファー・イースト・アシッド・ハウス・クワルテット)の野外レイヴを見て、というエピソードを聞いたことがあるけど。 |
アゲハ |
うん。て言うより、ファー・イーストと出会ってなかったら、私らは今こんな仕事してなかったと思うんですね。 |
リル |
絶対そう思う。 |
Q |
まだ学生時代じゃない? ファー・イーストのレイヴ、最初に行ったの。高校ぐらい? |
アゲハ |
中学の時。たしか14やから、二人とも中二かな。 |
Q |
中二!! 犯罪すよそれは!!(笑) |
アゲハ |
あとになって振り返ってみると、あれを見たのが14やったから、ガーンてインパクト強烈やったんやと思う。
28で見てもガーンやと思うけど、そこまでガーンじゃないでしょ。 |
Q |
感受性強い時期やから。 |
アゲハ |
そうそう。反抗期でもあるし(笑)。 |
Q |
どうやって中学生があんなもん行ったんすか?(苦笑) |
リル |
私の友達で、同じ中学の先輩で、高校生の男の人がいて・・・当時、高三ぐらいかな。ヒロト君いう人。
ヒロト君はバリバリのクラバーで、そういう音楽に詳しくて、ファー・イーストのファンやったん。
それでヒロト君が「凄いバンドが野外でライヴやるねんけど、お前ら来る?」て、誘ってくれたんすわ。 |
Q |
悪い奴ゃなあ・・・未成年誘拐やで、それは(ひきつり笑)。
じゃあ二人とも、それ以前はファー・イーストのことは全く知らなかったわけですね。 |
アゲハ |
全然知らんかった。ファー・イーストどころか、そんな音楽があるっていうこと自体、知らんかったの。
それでヒロト君に「どんな音楽?」って聞いたら、「まあ分類的にはテクノとかハウスに入るねんけど、もっと新しい最先端の音楽やね」て言うから興味持って。 |
リル |
あの頃まだ、サイケデリック・トランスなんて言葉なかったし。いや、あったんかな・・・?? でも日本では全くと言っていいほど知られてなかったと思うんで。 |
Q |
何年ぐらい? |
アゲハ |
1994年かな。アシッド・ハウスていう言葉も、初めて聞いたんですよね。
アシッド・ハウスはもっと前やけど、アシッド・ハウスなんて、あの当時ですら、日本では知ってる人ほとんどおらへんかったと思いますよ。一部のクラバーとか、よっぽど音楽に詳しい人ぐらいで。 |
リル |
外国行ったことある人とかね。アシッド・ハウスて、たぶんあれ違う? 映画の「アシッド・ハウス」が公開されてからぐらいと違う? 日本である程度広く知られるようになったのって。 |
アゲハ |
そう思う。だからごく最近やね、たぶん。あの頃でも、「ハウス」は知られてたけど、アシッド・ハウス、それ何? って感じがまだあった、一般人にとっては。 |
リル |
ヒロト君は知ってた。「アシッド・ハウス」て、ヒロト君から初めて聞いたんよ。 |
アゲハ |
そうそう、思い出してきたわ。ヒロト君がフライヤー見せてくれて、「アシッド・ハウス」て言うから、「それってどんなん?」て言うたら彼が音源持ってて、808ステイトの初期のやつとか、デトロイト・テクノとか、いろいろ聞かしてくれたんですわ。
その時初めて、ああいう音楽を聴いたんですね。日本のテクノ・ポップとかヴォーカル入りのガラージュ・ハウスとかともまた違うし、わー、なんかカッコエエんちゃうん、て思て。
「でも、こいつらの音楽はもっと凄いよ。アシッド・ハウスのさらに次のことやってるねん」て、それがサイケデリック・トランスのことやったんですね。
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ファー・イースト・アシッド・ハウス・クワルテット
( Far East Acid House Quartet )
「十億の神経の針
(A Billion Nerve Needles)」 |
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で、彼からファー・イーストのヴァイナルも聞かしてもらって「おぉー、何よこの世界は〜??!! ヤバいんちゃーうん!! 」って思たん。ジャケもヤバいし。
「凄いやん」って言うたらヒロト君が「でもほんとは、こいつらの音楽は生で見たほうがええから」って。 |
リル |
「レイヴ」もあの時初めて聞いたんと違うかな。ヒロト君は「レイヴ」って言うたよ。 |
アゲハ |
そうそう。「レイヴ」て言うから、「あのー、ライヴと違うんすか?」(笑)て素朴な質問したら、「違う、違う、レイヴ。Rave」って、スペル教えてくれて。 |
リル |
とにかく何もかもが初めての、最先端のもっと最先端ていうぐらいの、未知のことばっかりで、メマイがしそうな感じがあった。 |
アゲハ |
それでヒロト君が
「こいつらの野外レイヴは凄いよ。世界中捜しても誰もやってないようなことやってる、凄いバンドやで」
て言うから、えーもうこれは行くしかないんちゃーうん!! って。 |
Q |
不安とかなかった? |
リル |
うん、ほんまはちょっと恐かった。 |
アゲハ |
私も恐かった。なんとなくパンクとか、そういうイメージに近いんかなあって一瞬思ったから。だからそのレイヴに行ったら、生きて帰って来れるんやろか、とか不安になったりして(笑)。 |
リル |
生贄にされるんと違うかなとか(笑)。だって当時は、正体不明のバンドやったし。 |
アゲハ |
情報が全然なかったから。ネット(インターネット)とかもまだ普及してない時代のことやし。ネットがあったら、調べられたと思うけど。
私がビビッたのは理由があって、ヒロト君が、
「絶対人に言うなよ。選ばれた人しか来れへんねんから」
って恐い顔で念押したから・・・。 |
リル |
そう、あれが恐いって思った。フライヤー見ても、何も情報が書いてなくて、裏返すと小さい字で事務所の電話番号が書いてあるだけで・・・。 |
Q |
うんうん。そうやね(笑)。 |
アゲハ |
しかも場所は長野のとんでもない山奥で、泊りがけで二日間ライヴやるからキャンプ用具は各自持参で来て下さいって書いてある。
それ見て、
「これは絶対、生贄にされるねんで」ってリルと言うてました(笑)。 |
リル |
で、私らが恐がってるの見て、ヒロト君が
「大丈夫、大丈夫。他にも俺の友達何人か来るから、みんなええ奴ばっかりやし」
って、笑顔で言うてくれたから、じゃあもし何かあったらこの人らに助けてもらったらいいやん、てアゲハと秘かに話し合って(笑)、それでやっと行ったんですね。 |
アゲハ |
でも親に言うのはヤバそうやから、二人とも親には嘘ついて(笑)、友達の家泊まって勉強するし、って(笑)。 |
リル |
それ用の友達がおるねんな(笑)。 |
Q |
それ、中学生はみんなやってるん違う? 俺もやってたし(笑)。
で、どうでした? レイヴ行ってみて。 |
アゲハ |
もう、最初はドキドキしてさー。
ヒロト君の友達の、ほとんど高校生ばっかりで、大学生の人が二人ぐらいおったかな。朝からバンに乗って迎えに来てくれて。
でもみんなすっごいエエ人ばっかりで、男の人も女の人もいたけど、気さくな仲間って感じで、私らのこと大事にしてくれたから、ちょっと安心したけど。 |
リル |
でもやっぱり、会場が近づいてきたら、またちょっとドキドキしてた。これから一体何が起きるんやろう?って。
ヒロト君は私らのこと横目に見て、腕組みしてニヤニヤしてるし、他の人らは慣れてるみたいで、落ち着いてるから、よけいにドキドキしてきて・・・。 |