- ファー・イースト・アシッド・ハウス・クワルテットの
最後のレイヴに参加、そして衝撃!!
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ファー・イースト・アシッド・ハウス・クワルテット
( Far East Acid House Quartet )
フライヤー (1993) |
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Q |
ファー・イースト(ファー・イースト・アシッド・ハウス・クワルテット)の94年の最後のレイヴは、俺もよく覚えてるけど、ファー・イーストのレイヴの中で一番盛り上がったベスト・レイヴの一つすね。 |
アゲハ |
そうらしいすね。私らが参加したのは、それが最初で最後になってしまったんですけどね。
だからギリギリ、滑り込みセーフで。あのあとバンドは実質的に活動休止になって、いつの間にか解散してしまったんで・・・。 |
リル |
そう、あれは残念やったなあ。
なんであとせめて5年でも早く生まれて来なかったんやろう? って二人で言い合ったりして。 |
Q |
ファー・イーストの最後のレイヴって、けっこうお客さん来てたっしょ? |
リル |
私もビックリした。見渡す限り人がおって、異様な光景やったから、アゲハと「嘘、見てみ!! こんなに客が来てるで!!」って(笑)。
それもあるし、こんなド田舎でライヴやって、何百人もファンが集まるなんて、これはタダ者じゃないで、って。 |
アゲハ |
なんか、それ見た時一瞬、嬉しかった、なんか集団でピクニック来たような気がして。
ええやんこれ、こんなんやったら4日ぐらいおってもええわ、って(笑)。 |
リル |
ある種のなごみ感があった(笑)。
そこでお昼のお弁当食べ終えて、荒れ果てた原っぱみたいなとこにみんなで座って、バンドが出てくるの待ってたら、なんか、どこからかインドのお香みたいな匂いがしてきて、アレ? って思った(笑)。 |
アゲハ |
そしたらお客さんの何人かがパーカッション叩いてたり、シタールかな、民族楽器がビロビロビローンって聴こえてきて、「うわームッチャ怪し〜」て。
「もう、生贄にされるで、生贄に」ってリルが横からヒソヒソ言うから、私、笑けてしもて、笑いが止まらなくなったんです(笑)。 |
Q |
ファー・イーストの野外レイヴのイントロのパターンやね、それって。 |
アゲハ |
客の格好がまた、凄い人がウヨウヨおって。ヒッピーとかエスニックみたいな奇抜なファションの人が多かった。
服だけじゃなくて、顔にペイントした人とか、ここんとこ(眉間)に目玉付けてる人とかも(笑)。 |
リル |
もう、ヤバい人いっぱいおった(笑)。あたしらももっと派手な格好してきたらよかったなって言うてたんですわ。 |
アゲハ |
こっちは何もかも初体験やから、レイヴってこういう自由な世界やのか!! って、すっごい感動があった。
これってヒッピーの世界やん!!って。日本にもこういうものがあったんか!! って、そういうカルチャーショックが先にあった。 |
リル |
憧れもあったし。まだ大人になってないから、何て言うの? 早く大人になりたいわあ、みたいな。 |
Q |
いや〜なんか可愛いなあ、君らの感想は。おっちゃん思わずほほえみが漏れるよ(笑)。 |
アゲハ |
あの日のイントロはよく覚えてますよ。一番最初にステージ中央にバーンってスポットが当たって、そしたら、鳥の仮面をつけて民族衣装着た髪の長い女の人がステージの中央に立ってて・・・
だから顔は見えなかったけど、あとで思えばそれがエリちゃん(田嶋エリサ)やったわけやけど。
その鳥の仮面の女の人がなんかこう、思いつめたみたいな暗い雰囲気で、カミソリで自分の手首のへんをスーッと切ったんよね。で、なんかおまじないの儀式みたいなことして・・・。
あれがファー・イーストのライヴのイントロやっていうことなんてこっちは知らんから、リルと二人で「エエーエエーエエー??? ちょっちょっちょっちょーっと!!」って、目が点になるぐらい、もう、ビックリ仰天して、二人で背伸びして見ようとしてた。
私らと同じ、初めて見に来た子らやと思うんですけど、近くで見てた女の子の集団がキャーッ!! て悲鳴あげてた。 |
リル |
あれは強烈やった。ほんとに自殺するのかと思った。私、泣いたんです。 |
アゲハ |
リルは泣いてた。私も泣いた。嘘、嘘、嘘!!〜って。
だって真っ赤な血がポタポタ落ちてるし、演技と思われへんぐらいシリアスやったから。 |
リル |
あとで本人に聞いたら、何回か失敗して、救急車で病院に運ばれたことあったらしいけどね。
命がけでやってたなんて、知らんかったから、ひぇえ〜って思ったけど。 |
アゲハ |
それでこう、滴り落ちる血を舐めて、赤ワインと混ぜて飲んで・・・っていう、原始宗教の巫女さんの儀式みたいなイントロがあって、エリちゃんが顔をこう(真似をする)天に向けて、祈るようなポーズになって・・・。
で、カヲルちゃん(市川カヲル)がディジュリドゥでボヨボヨボヨボヨ〜ンって入れたら、ドーンってパーカッションの音が来て、アキさん(芙苑晶)がキーボードでコード弾き始めて、最後にリョウちゃん(スペースDJリョウ)がターンテーブルをキュキュキュキュキュイーってスクラッチ始めて、シンセのシーケンスがビロビロビローって鳴って、ズダズダズダズダーって感じで曲が始まった。
で、客がバーッと踊り出した。
そこからはもう、今思い出しても、何か夢見てるみたいな感じやったなあ。 |
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ファー・イースト・アシッド・ハウス・クワルテット
( Far East Acid House Quartet )
「無法的熱狂祭 (Illegal Rave)」 |
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アゲハ |
私がよく覚えてるのは、音楽がドーンって始まったとたんに、私、なんかもう顔が熱くなってしまって、みんなといっしょに立って踊ってたら、ドキドキして、体じゅうが火照ってきてね。
私らは初めて来た客で、いきなり来て初心者もええとこやったわけやけど、私、直感的に「これや!! 来てよかった!!」みたいな気持ちがどっかにあったと思う。
ファー・イーストの曲自体は、その前にヒロト君からヴァイナル借りてちょっと聴いてたけど、やっぱりライヴで聴くと全然迫力が違ったから。
それで初めて分かった、って言うか。 |
リル |
そうそう、迫力凄かった。
(アゲハに)ドキドキしたよな。イントロも凄かったけど、みんな演奏だけでもう、メッチャ迫力あったから。 |
アゲハ |
あとになって思ったけど、ふつうダンス・ミュージックのライヴってたいてい、DJが回すだけのやつが多いじゃないですか。
ファー・イーストって、コンピューターとかターンテーブルも使ってるねんけど、他は全部生演奏やから。そこがまず、異色やった。
変わったバンドやなあ〜、カッコエエやんって。 |
リル |
ファー・イーストの場合、メンバーもみんなそれぞれに個性的でカッコエエな〜って思った。
リョウちゃんスキンヘッドでアキさん腰まで長髪やん。なんであんなに極端に違うのって言うぐらい。あの二人がステージに並んでるだけで「ええやん〜」って思ってしまってん(笑)。 |
アゲハ |
ステージも凝ってて、映像使ってたり、スモーク焚いたりして、ビジュアルだけでも十分トランス入れる要素があったし。 |
リル |
ほんまに、最初からトランスしてしまった。しかも、曲は即興演奏とかも多くて、CDで10分の曲でも20分に延長して演奏してたりね。
それ自体もう、サイケデリック・トランスって感じ。 |
アゲハ |
当時はトランスって言葉はまだ知らんかったけど、言葉を聞く前にトランスっていう音楽がなんなのか、本能的に分かった感じがあった。
「こういう音楽やねんや」って、体で理解できたって言うか。 |
リル |
それで、ステージがまた凄かった。ダンスが入るでしょ、エリちゃんの。
最初リョウちゃんがターンテーブル回しながらリズムマシンとかいじってて、エリちゃんがフロントで踊るねんけど、あのダンスはなんて言うたらええのかなあ〜?
口で説明できへんような凄いダンス。悪魔に憑かれて狂った人みたいな・・・。
お客さんも、一日目から、もう服脱いでトランス状態で踊ってる人がいたし。 |
アゲハ |
後ろのほうでいつの間にか炎焚いてて、森を背景にしてオレンジの炎が上がってるのが、すっごい綺麗やなって思った。
あと、鳥とか動物の面つけた人たちが踊ってたりとか。なんかもう、怪しい宗教儀式みたいな・・・(笑)。 |
リル |
そうそう。あと、カヲルちゃんが管楽器にシャボン玉つけて飛ばしたり、ステージの後ろでグニャグニャ〜ってアメーバみたいなサイケな映像が動いてたり。 |
アゲハ |
でもそれがまた音楽に合ってて、神秘的って言うか幻想的なライヴやった、すっごく。 |
リル |
夜は夜で、キャンプで飯ごう炊さんしたりとかも、楽しかったし。 |
アゲハ |
もうその頃には完全になごみに入ってしもて、これって大自然と私たちが溶け合ってるんちゃーうん!! って叫びたくなるような(笑)。 |
リル |
それで二日目は夕立になって、大雨がドーッと降ったんね。雨の中でみんなグショグショになって踊ってた。あれがまた感動的やった。 |
アゲハ |
一番最後の曲が「Comet」で、それが終わってから、メンバーがアンプにガソリンをかけて全部燃やしてしまった。
だからもうこれでほんとに終わりなんやなって思ったけど、みんなまだ突っ立ってて、このまま永遠に帰りたくない、って思ってるのがジンジン伝わってきた。
私らもその場に立ったままで、いつまでもアンコールしてた。リルと抱き合って泣きました。
最初の日は恐くて泣いたけど、終わった時はもう言葉にできないぐらいの感動があって、来てよかったな、なんてもんじゃない。
このあと一体、どうしたらいいの? っていうぐらい、魂が抜けたみたいになってしまった。 |
Q |
14でファー・イーストのレイヴ見に行ったなんて、最年少じゃない? |
アゲハ |
なんかそうらしいすわ。13才の子とかおったら凄いと思うけど(笑)。
昌美さん(土井昌美、元「ファー・イースト」バンド・マネージャー)が客のリスト調べてて、「あんたら最年少やと思うよ(笑)」って教えてくれたから。
私らの次に若かった人は、15才やけど学校行ってなくて、働いてもいない、ユウちゃんていう幼い顔した少年。 |
リル |
ユウちゃんとは友達になってん。私らが会場に着いて最初に喋った子。あの子はちょっとイッてて、自閉症みたいな、人と付き合えない子やねん。 |
アゲハ |
会場の準備の手伝いしてたんね、彼は。ファー・イーストのレイヴのボランティアやってたから。 |
Q |
レイヴって友達できるよね。 |
リル |
そうそう! あのファー・イーストのたった一回のレイヴでもう、何十人て友達が出来て・・・。
だいたい年上の人ばっかりやったけど、私らがそのあと音楽活動できるようになったのも、そっち系の友達が出来たせいが大きいすね。 |
- トランスって新しい時代のダンス・ロックちーゃうん !!
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ファー・イースト・アシッド・ハウス・クワルテット
( Far East Acid House Quartet )
「心臓二金属ノ花咲ク (Metal Flowers Bloom On My Heart)」 |
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アゲハ |
レイヴから帰ってしばらく、ハンマーで後頭部殴られたみたいなショックがずっとあった。そのあともう、一ヶ月ぐらいはボーッとしてたと思う。
しばらく何にもできへんかって、ファー・イーストのあのレイヴばっかり思い出してた。 |
リル |
私も同じような感じ。ファー・イーストのレイヴは、見る物聴く物全部初めてのことばっかりで、まず最初にショックがドーンとあって、あとになればなるほど、いろいろ考えてしまうって感じやった。
どうして自分は学校なんかに毎日行ってるねんやろ、とか。 |
アゲハ |
そういう気持ちは私のほうが強かったと思う。私はもう、学校うっぜ〜って思ってたから。 |
リル |
私も思ってたよ。でもアゲハのほうが強いかもな。 |
アゲハ |
学校だけじゃないねん。当時の私には、悩みがいっぱいあった。家のこととか、将来どうしようとか。でもある意味、そんな悩みってちっぽけに思えてきてしまった。
っていうのは、それまでの私はすごい狭い世界で生きててんなあって、ファー・イーストのレイヴを見て、メンバーとかスタッフの人たちと喋って、あらためて実感したから。 |
リル |
そうそう。言い忘れたけど、一日目の終わった晩に、メンバーに会いに行ったんですね。
私らが興奮してるの見て、ヒロト君が「メンバーに会わしたろか?」って言い出して。
ヒロト君ムッチャ顔広い人から。「顔・広人(かお・ひろひと)」っていう別名があったぐらいやから(笑)。 |
アゲハ |
そらもう、嬉しかったけど、でもあの時はまだ二人とも中学生やったし、絶対ガキが来たって思われるわ〜って、内心ドキドキしてたけど。
だから何喋ったのか覚えてないけど。 |
リル |
私はちょっと覚えてるよ。エリちゃんが優しかった。
あんなに全力でライヴやったあとで、疲れてると思うのに、気さくに喋ってくれたから。
でも他の三人はグッタリしてたから、遠慮したけど。 |
アゲハ |
でもあのあとしばらくしてちょっとショックが醒めてきた頃に、
「もう一回見たい・見たい・行きたい!! 学校休んででも行きたい!!」
って、リルと言うようになって。 |
リル |
それで私がヒロト君に「またないの? またないの?」って何遍も電話したけど、「当分ないみたいやね」ってそっけなく言われてしまった。
「ファー・イーストの野外のレイヴは大変やから、年に四回もないと思うよ」って。
でも私らがあんまり「見たい・見たい・もう一回行きたい、もう待ち切れへん」とか言うもんやから、ヒロト君は「じゃあビデオ見したげるし来る?」って。 |
アゲハ |
それで二人でビデオ見に行ったん、ヒロト君の家に。
ちょうど夏休みに入った頃やったんかな?
友達もみんなも来てて、スイカ食べながら見たん覚えてる(笑)。 |
リル |
私らが実際に生でファー・イーストの野外レイヴ見たのはあれ一回きりやけど、そのあとビデオ見せてもらって・・・
バンドは禁止してたけど、ファンクラブの人でビデオ勝手に撮ってた人は、やっぱり何人かおったから。 |
アゲハ |
ほんまはダメなんですけどね、そんなことしたら。クラブとかはアリと思うけど、やっぱり野外レイヴは特別やったし、日常的じゃないヤバい場面とかいっぱい映ってるんで・・・(笑)。
だからレイヴの時にスタッフの人に見つかると、カメラごと没収されて、ブラックリストに載せられて、いっしょに来た友達まで二度と呼んでもらえないっていう話やった。
だから撮影してる人はもう、命がけで撮影してたらしいけどね。
だから画像は手ブレが凄くて見づらくて、目痛くなってくるねん(笑)。 |
リル |
ビデオで見たら、やっぱり昔のレイヴも凄かった。私らの見た最後のやつとはまた違う、いろんなパターンがあったんやって初めて知った。
だいたいはおんなじパターンもあるねんけど、一回一回工夫凝らしてやってたんやなって、感心した。
野外だけじゃなくて、クラブとかライヴハウスでものファー・イーストの出番は凄くて、他のDJとかと違ってて、客の盛り上がりが異様でさあ。
クラブでもやっぱり脱いで踊ってる子がいっぱいいたのがビックリしたな。 |
アゲハ |
それにやっぱり、音楽が凄かった。ただの色物バンドみたいに思ってる人もおったみたいやけど、音楽が本物やなって。 |
リル |
一般的にはやっぱり、色物っぽく受け取られてた気がする。
どっちか言うと、パンクとかオルタナに近いような、そんなイメージがあったかも知れん。 |
アゲハ |
今でこその野外のレイヴは「伝説のバンド」って感じになってるけど、あの当時なんて・・・もちろん、熱烈なファンはおったけど、一般レベルで言うたら、みんなまだファー・イーストを嫌ってたと思う。
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Q |
いや、それは俺も知ってる(爆)。 |
アゲハ |
今思うと、あの生演奏が、ファー・イーストの独特なグルーヴ感を出してたんやと思う。音楽の持ってるパワー自体が、凄いと思ったんですね。
私の言葉で言うと「これってロックやん!!」って言うか。「トランスって新しい時代のダンス・ロックちゃうん!!」って言うか。
私、当時は洋楽オンリーで、日本のロックってあんまり好きじゃなかったんですね。最近ちょっと面白いの出てきてるけど、インディーズとかで。
ファー・イーストって、音楽ジャンル的にはテクノ/ハウスやねんけど、あの音の混沌と渦巻くようなエネルギーって、ロック・・・それも海外の一流のロック・アーティストと質的に同じようなものがあるなって、その時はっきり思ったんですよ。
私の好きな、60-70年代の黄金期のロック、あるじゃないですか。あるいはグランジとかオルタナ系のロックとか・・・ああいう音楽に近い手触りを感じたから。
だから、日本にもこんなアーティストがおるんや、っていうのも、驚異やった。 |
Q |
でもその前にCDは聴いてたわけでしょ? |
アゲハ |
聴いてた。だから当然、アルバム自体もムッチャ良かったけど、やっぱりファー・イーストはライヴで見てこそ、って人が言うの分かるなあって思ってん。 |
リル |
ライヴで見て、そのあとまた家に帰ってCD聴き直すと、レイヴの場面が浮かんできて・・・っていうフィードバックで、「また行きたいなあ」って思うんですね。 |
アゲハ |
そうそう。それがもう、私にとってはカルチャーショックやったんですね。
私なんか、やっぱりロック少女じゃないですか。「テクノか・・・」みたいなとこあって、やっぱり偏見持っててん。
「なんぼ電子楽器使ても、ロックには勝たれへんで」っていう、よう考えたらそれってオヤジくさい偏見やねんけど(笑)、ファー・イースト見るまでの私にもそういうノリがあったと思うんですね。
でもファー・イースト生で見て、聴いて、「テクノでもロックに匹敵するグルーヴ感と迫力出せるねんや!!」っていうのが、ほんとにカルチャーショックやった。だからあれがなかったら、私、DJなんかやらへんかったと思うし。 |
Q |
それはファンの人も割と言ってたよね。だからファー・イーストってちょっとジャンルレスなとこあるよね。
でもやっぱり今で言う「トランス」なんやね、ハウスとかテクノって言うより。 |
アゲハ |
って言うか、ファー・イーストに限らず、トランスってやっぱり、テクノと言うよりハウスの流れを汲んでるじゃないですか。
ハウスでも、ヨーロッパのトランス・ハウス、アシッド・ハウス・・・あれってロックとテクノの結合みたいなとこあるじゃないですか。まあ言えば、それが今で言う「トランス」いうことやねんけど。 |
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Q |
ファー・イーストがきっかけで、ドーターズがDJ活動を始めたみたいな話は、ファンの間では有名やね。 |
アゲハ |
うん。って言うか、もうこれは何かやるしかない!! って気張ってしもてね。でも最初はDJなんて考えてなくて、ただただあのファー・イーストのレイヴが衝撃的で、学校でリルと会っても、ファー・イーストの話ばっかりしてた。
「あれ、また見たいなあ、次いつやるねんやろ?」とか。「でも、あんなん一回やるのでも大変そうやし、やっぱり次は来年かなあ・・・」とか。 |
リル |
そんなこと二人でしゃべってる間に、何か私らもやろうや、とかいう話になってきた。
でも、何から手つけていいか分からへんから、まずああいう音楽をもっと知らなあかんね、っていうことで。
でもああいう音楽ってどこで聴けるんかなあ? っていう話になって。 |
アゲハ |
そうそう。ラジオとかじゃほとんどかかってないし。友達にも知ってる子おらんし。
誰に聞いていいんか分からなかった、当時は。 |
リル |
それで二人で日曜日ごとに、レコード屋通いをするようになったんですね。CISCO とかHMVとかタワレコなんかをあちこち回っては試聴しまくるんですわ。
で、たいていTechno/ElectronicとかClub/Danceとか書いてあるコーナーに行って、捜してみるねんけど、最初のうちはどこ見ていいか自体、まったく見当もつかなくて・・・。 |
アゲハ |
あの頃ちょうど、クラブ・ミュージックが盛んになって来てた時期やったから、アーティストがどんどん出てきてて、ジャンルもだんだん細分化しつつあった。
だから最初の頃は適当にジャケ買いして失敗した時期もちょっとあった。 |
リル |
ネット(インターネット)とかまだ普及してなかっし、文字情報もなければmp3試聴とかそんなやつもないから、もう、ジャケ判断のみで行くしかない。
もう、全部直感。行くなら男らしく行け、みたいな。 |
アゲハ |
レコ屋さんの分類と私らの思いこみが微妙に食い違ってる時もあって、テクノとハウスとトランスどない違うの? とか独りで思い悩んだりして(笑)。 |
リル |
あの頃まだ、「トランス」ってなかったよね。あった? |
アゲハ |
いや、一般にはなかったと思う、まだ。(musashiに)どうなんですか、あった? |
Q |
そろそろ出てきてたけど、あまり知られてなかったやろね。
94年やったら、ジャーマン・トランス、アシッド・トランスとか出てきた頃でしょう。Dragonfly(レーベル)がゴアとか言い出した頃じゃない? |
アゲハ |
そうそう、ゴアや! 店員さんは「ゴア・トランス」っていう言葉も言うたんですよ。
でも私らは、当時両方ともまたまた初めて聴く言葉で、「おっと、何やのそれは?」って感じで(笑)。
それで二人でCISCOの狭いコーナーを店員さんといっしょにグルグル回って、いろいろ教えてもらって・・・。
そしたらいちおう「Trance / Ambient」っていうメッチャ狭いコーナーがあって、オッと思ったような記憶がある。
そこには、あのファー・イーストのジャケに近い雰囲気のサイケなヤバいジャケのCDが何枚か置いてあって・・・(笑)。 |
リル |
ジャケが怪しいから分かるねん、「あ、これや」って(笑)。
それで二人でバーッと見て、どれがええかなあ? って感じで選んで、何枚か買うたんね。お小遣い出し合って(笑)。 |
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Eat Static 「Abduction」 |
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覚えてるのは、Eat Staticの「Abduction」のインポートがあったんですね。
もうこのジャケが来てるわ〜って(笑)惚れてしまって、「私、これ買うわ、あんた、こっち買いーさ」みたいな(笑)。
これ一枚しかないし、試聴はできませんて言われたけど、「いや、これ行きます」って。
もうジャケ買いもええとこやけど、円盤ですよ円盤。どないしてくれんのっていう・・・。 |
アゲハ |
リルは小学生の時からUFO見てる子やねん。 |
リル |
何十回は見てますんで。百回超えてるかもしれん。 |
アゲハ |
私は十二回ぐらい。musashiさんあります? |
Q |
俺、ないねん。でも俺の友達には多いね、見てる人。 |
リル |
レイヴのトランサーはUFO見る子が多いっていう説があって、ほんまかどうか知らんけど。でも、悲しい話やけど、私もしかしたら、十年後には突然どっかに消えるかもしれないです。連れ去られて。遠くの惑星に。
・・・って、まあUFOの話はええやん(笑)。とにかくEat Staticを買いました。ファー・イースト以外では、トランスのアルバム聴いたのは、あれが初。 |
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Juno Reactor 「Transmission」 (1994) |
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アゲハ |
で、私がジュノ・リアクター (Juno Reactor) の『Transmission』でしょ、あと、Dragonflyから出てた『Project 2 Trance』っていう、レーベルのコンピ盤みたいなやつ買ったんかいな。
でも、当時はまだトランス元年ぐらいで、CD自体も非常に少なければ、アーティストで単体の作品に至っては、まだほとんどなかったような気がする。確か、そのあと一、二年してから、ハルシノジェン (Hallucinogen) とか出てきたんと違うかな・・・? |
Q |
そうそう、たぶんそうやと思うよ。 |
アゲハ |
で、そのあと、どうしよう、どうしよう? 何かしたいなあって、毎日のように言うてたけど、当時はもうファー・イーストはライブ活動はやめてたし、鬱憤溜まってきて、「じゃあとりあえず、クラブ行こか」みたいな、そういう展開になったんと違ったかな。
クラブに行ったら、なんか情報が入るんと違うかなって。 |
リル |
そうやと思う。だから中二の後半ぐらいと思うけど、二人でクラブ行くようになったんですね。 |
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Q |
中学生がクラブ? あかんなあ、補導されるで、君ら(笑)。 |
アゲハ |
問題ないよ。入れてくれる、全然。(リルに)なあ? |
リル |
全然OK。 |
Q |
年ごまかして行くとか? |
アゲハ |
ううん。絶対中学生ってバレてる。バレバレ。
向こうは絶対分かってると思うけど。そんなん顔見たら分かるやん(笑)。でも入れてくれるよ。 |
リル |
なんら問題ない。年バレOK。 |
Q |
あ、そうなんや。 |
アゲハ |
アリアリ。補導なんか一回もされたことないよ。
あのー、クラブて言うても、あの当時で言うジュリアナとか、ああいう、入り口に黒服が立ってるようなとこはヤバいと思うけど。
ああいうとこはお客さんもみんなオシャレ系で、だいたいドレスアップして来てて、エントランス・チェックとかあるから、あんまり若いと引っかかる可能性はあるけど。 |
リル |
私らが行ってたのは、基本的にもっと汚ったない場末のクラブ、アンダーグラウンド系の。 |
アゲハ |
もう、そんなとこばっかりわざわざ選んで行ってたね。
門構え見て、汚そうやったら「ここ、ええん違う?」って、入ってみたらたいてい当たる。 |
リル |
もう、ヨゴレもええとこなクラブ(笑)。そういうとこで、サイケデリック・トランスがかかるようになってた。 |
アゲハ |
ジャングルとかも凄いと思った。ああいうとこはもう、別になんにも言わへんから。お客さんには言われたことあるけど。
「自分らいくつ? もしかして中学生ぐらいちゃうん?」とか。「うん、今、三年やから、来年高校」(笑)とか答えるけど、でも別にそれで婦人警官が飛んでくるとか、そんなことは全然ないし。 |
リル |
でもジュリアナ一回だけ行ったことあるやん。 |
アゲハ |
そうそう、あった、一回だけ。ちょうどその当時やと思うけど、二人で夜の繁華街歩いてたら、男の子にナンパされて。大学生ぐらいの人かな。
その人が連れて行ってくれた。でも、その時でもべつに問題はなかった。入れてくれた。
でも、その日は二人ともその前の日もクラブでオール(ナイト・クラビング)して、ごっつい疲れてたし、「ごめん、あたしらもう帰るわ」って、途中で帰ってきた。
「まだええやん、帰んなよ」って言うから
「あたしら中学生やし、門限あるし、親に怒られるし」って。 |
リル |
そういう時だけちゃんと中学生の特権を利用するねん(笑)。 |
Q |
でも、親は? 親に怒られたりしません? |
アゲハ |
うーん。私は実は、その頃から、親とはずっとケンカして、ほとんど会ってなかったんで・・・。 |
リル |
私は、お母さんに「あんた、こんな夜遅くにどこ行くの」とか言われるじゃないですか。
そしたらバッシュー履きながら「うん、これからクラブ活動」(爆)。 |
Q |
「クラブ活動」(笑)!! いや、確かにそれは、あながち嘘じゃないわな(笑)。 |
リル |
お母さんが「こんな夜遅くに??」って言うと、
「うん、最近部活が忙しいねん」て(笑)。って、やっぱり途中でバレましたけど(笑)。 |