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発言より >
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「私が Far East の曲で好きだったのは、たくさんあるけど、やっぱり一番好きなのはね、すごく長い長い組曲だな。トータルで24分とかあって、アナログのLPだったら片面全部いっちゃうようなやつ、たとえば『十億の神経の針』とか『カーマ・スートラ』とかね。
ああいう変化に富んだ長い曲をレイヴでやる時は、客も盛り上がったし、私たち自身も熱くなった。私たちのレコーディングには、あの熱気がそのまま詰まっている。レイヴとのフィードバックがあったから。
そういう意味でね、ああいうのは、 Far East にしかできなかった音楽だと思うの」
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「私たちはみんな、演奏はうまかった。自分で言うのも変だけど、並みのダンス・バンドと全然違うとよく言われり、プログレ系のファンが意外といたりなんかたのは、私たちがみんな演奏がすごくうまかったせいだ」
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「ダンサーだったエリですら、シタールやパーカッションなど、玄人はだしに弾けた。リョウは譜面が読めない、和音楽器が弾けないというコンプレックスがあったけど、元々ドラマーで、ドラムはプロ級だった。だからリョウの打ち込みはすごい。みんな器用だったのだ」
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「そこにアキのような人がいたので、音楽のグレードが上がった。アキが曲の構成をやってくれたお陰だ。それで、私たちはライブをやらせても打ち込みパート以外は全部生演奏で、プログレ・バンドも真っ青なぐらいにうまかった。それが私たちのレイヴの、あの特異な興奮を生み出した大きな原因だったと思う」
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「だけど、作曲ってなると話は別だ。作曲って簡単に言うけど、あれはほんとはすごく難しい。シンガーソングライターとかがギターでコードを弾いてチャラチャラ作ったような曲なんか、はっきり言って私でも作れる。シビアに言えば、ああいうのは音楽でも作曲でもなんでもないと思う。だってアレンジは人にやってもらうわけでしょ」
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「でも、そのアレンジというものこそが音楽であり、作曲なんだよね。日本人はそのことわかってない人が多すぎる。日本のポピュラー音楽のレベルが低いのは、きっと歌謡曲文化、カラオケ文化が未だに幅をきかせすぎてるからだと思う。カラオケをスタンダードとして考えて作られた音楽だ。だから、アレンジがロックだろうが、テクノだろうが関係なくて、ようするにそれはカラオケ・ポップスなのだ」
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「ライヴの時でも、アキの存在は大きかった。たとえば私は管楽器担当だけど、管楽器は、和音が出せない。管楽器でリードを取る時、アキが正確にキーボードでハーモニーを付けてくれていたから、厚みのある音になった。でも、ハーモニーなんていうのは目立たない。ところが、そのキーボードのハーモニーの音を抜いたら、管楽器だけだとペラペラの音になっちゃう。
今言ったことは、ほんの一つの例で、そういうハーモニー的な構成がしっかりしていたから、「ファー・イースト」は他のバンドと違うサウンドになったんだよね」
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「とにかく、私たちのバンドの中で、ちゃんと曲を作れる人は、アキしかいなかった。音楽、とくに作曲的な面では、みんなアキを頼りにしていた。だから、彼がやめたいと言った時、もうこれでバンドは終わりだと、誰もが思った」
(市川カヲル・エッセイ/インタビューより)