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野崎ニーナ・幻想詩集
切り裂かれた青空
かなしくて
声なんかでないほど
かなしかったから
いつもひざをかかえて
あたしはずっと
空ばかり見ていた
しろい飛行機雲で
広告塔と電線で
切り裂かれたこの青空
いつもあたしを 呼んでいる空
地面はきらい この世のありとあらゆる
考えられうるかぎりの
おぞましいもの みにくいもの
あたしが一番 見たくないものを
集めて並べて 見せつける
この星は この国は
あたしに毎日嘘をつく
歯をむいて 笑顔みせ
吐き気のするような 三文芝居で
これが人生と だましつづける
だからあたしは 空にとけて
あのやさしい 水色にとけて
とおく消えたいと 思っていた
地をはなれ この重苦しいからだを超えて
生まれてこのかた くっついてる
この肉の枷を ひきちぎり
かなしくて
声なんかでないほど
かなしかったから
いつもひざをかかえて
あたしはずっと
空ばかり見ていた
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