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野崎ニーナ・幻想詩集
逃避行
夜が黒いビロードを果てまで広げて
いつか二人を包んでしまったから
あたしはあんたの腕の中
こよいお月さまはどっちに出てるかしら
まるでふたりはコソドロみたい
かくれんぼして帰れずにいる子供みたい
陽が落ちて 哀しみがどこからか襲ってくるまえに
さあ逃げるんだ バイクを乗り捨て
旅館じゃ夫婦の名をかたり
ハッパですこし陽気になって
それから堕ちていくどこまでも
だけどお願い 愛し合うならクスリはやめて
不器用にあたしの心臓にふれてよ
あたしを抱いて 泣かせてよ
男でしょそれくらいできるでしょ
それから二人はどうなるの
街から街 夜から夜へ流れ
もっとだめになっていくんだろうか
それでもいい まだ星が見えてるから
あんたの顔はかすかに見えてるから
そのあいだじゅうは歩けるわ
そうよいつだって 夢は売るほどあるの 夢だけは
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